三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング株式会社(MHIENG、社長:寺沢 賢二、本社:横浜市西区)は、カナダ西部のアルバータ州カルガリーに脱炭素事業の営業拠点「Mitsubishi Heavy Industries Engineering(Calgary Branch Office)」を設立しました。当社グループの知見を結集して取り組むエナジートランジション戦略の一環として、MHIENGが有する世界トップシェアのCO2回収技術をさらにグローバルに展開するべくタイムリーな営業活動を推進し、同国におけるプレゼンス向上を図ります。
環境保全に積極的な取り組みを進めるカナダは、CO2を回収して転換利用や貯留を行うCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)の有望市場です。同国では2019年に連邦炭素税が導入され、2030年までに段階的に税額を増やしていく予定であり、各州においても脱炭素関連プロジェクト向けの補助金制度が導入されています。また、輸送や貯留といったCCUSを成立させるための各種インフラも整備されつつあり、アルバータ州、サスカチュワン州をはじめとした各州で、数多くのプロジェクトについて具体的な検討が進められています。
今回の営業拠点設立により、こうしたカナダ市場の動向や顧客ニーズへの迅速な対応が可能となります。脱炭素事業における海外拠点としては、北米統括拠点のMHIA(米国三菱重工業)ヒューストンにあるエンジニアリング事業部「ESD(Engineered Systems Department)」に加え、昨年7月に設置したMHI-EMEA(欧州・中東・アフリカ三菱重工業)ロンドン本社の脱炭素事業拠点「DBD(Decarbonization Business Department)」があり、CCUS導入に先進的な地域への営業体制を強化中です。