三菱重工業はこのほど、タイ最大の発電事業者であるタイ国電力公社(EGAT:Electricity Generating Authority of Thailand)との間で、クリーン燃料発電、クリーン水素およびCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)技術に関する調査と情報交換を行うMOU(覚書:Memorandum of Understanding)に調印しました。2050年までのカーボンニュートラル達成を掲げる同国の目標を支援するため、今後3年間にわたり、特定分野に関する経験、情報などを交換するほか、クリーン発電の推進に関する経験と技術ノウハウを共有するための相互人材派遣も実施します。
MOU調印を受け、三菱重工の現地法人であるMitsubishi Heavy Industries (Thailand) Ltd.社長の田久保 亮は、次のように両社のパートナーシップへの自信を表明しています。「三菱重工グループは、50年以上にわたりタイのエネルギー拡大に貢献してきました。水素やアンモニアのようなクリーンな燃料を混焼するために開発している最先端のガスタービンと、CO2排出低減に不可欠なCCUS技術を中心に、当社の能力をもって貢献し続けていくことを楽しみにしています。EGATと提携して当社の学びと深い経験を結集し、より多くの機会を開拓し、タイの脱炭素化を加速させることを光栄に思います」。
今回のMOU調印は、当社とEGATが長年培ってきたパートナーシップをさらに拡大するものです。タイにおける当社事業は、EGATとの最初のプロジェクトである1968年のクイーン・シリキット・ダム建設までさかのぼります。その後も、EGATの多様なニーズに対応するため、業界をリードする多くの製品やサービスを供給し、サウスバンコク発電所、ナンポン発電所、ワンノイ発電所など、タイ全土の重要なエネルギープロジェクトに参画してきました。また2009年には、信頼のあるガスタービンのサービス提供と地元のエンジニア人材育成を目的として、両社による合弁会社「EGAT Diamond Service Co., Ltd.(EDS)」を設立しました。タイ国内外の顧客へサービスを提供するEDSは、よりクリーンな発電を視野に、地域において信頼性が高く高効率なガスタービンの運用を保証しています。