株式会社日立製作所(以下、日立)は、ハイブリッドクラウドソリューションEverFlex from Hitachi(以下、EverFlex)において、アマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)との協創*1の成果に基づき、オンプレミスとクラウドにまたがるミッションクリティカル環境での、高信頼かつ柔軟なデータ利活用を可能にするクラウドストレージサービスHitachi Virtual Storage Platform on cloud(以下、VSP on cloud)を、本日より提供開始します。
今回提供開始するクラウドストレージサービスVSP on cloudは、日立ストレージの技術や運用ノウハウをAWS上に適用することで、機密性の高いデータを保有するシステムの移行やシステム配置・変更が容易なハイブリッドクラウド環境を実現します。また、データ連携やコンテナ連携などの各種ソリューションと組み合わせることで、システムの可搬性や堅ろう性を向上し、機密性の高いデータの柔軟な利活用を実現します。
こうした課題に対し、日立はこれまで、EverFlexにおいてオンプレミス環境を柔軟に利用可能なAs a Service型メニューの拡充に加え、AWSとの協創によって日立ストレージとクラウドの透過的なデータ管理・運用の実現や接続パスの冗長化による可用性の向上などに取り組んできました*2。
EverFlexの強化内容
オンプレミスとクラウド間で機密性の高いデータの柔軟な利活用を可能にするクラウドストレージサービス
(1) ミッションクリティカルなシステムの移行を容易化し、ビジネス環境変化への適応に貢献
VSP on cloudでは、AWS上で日立のストレージ基本ソフトウェアを搭載したデータ基盤が利用可能です。ミッションクリティカルシステムの高信頼を支えてきたシステム構成や運用を、AWS上に適用できるため、クラウド移行に伴う構成や運用の再設計、構築、検証などのカスタマイズ作業の負担を大幅に低減できます。また、クラウドへ移行したシステムはオンプレミス同様に日立が運用するため、クラウド利用に伴う運用負担の増加を極小化します。これらにより、オンプレミスとクラウド間でミッションクリティカルなシステムの移行を容易化できるため、より柔軟なハイブリッドクラウド環境を実現でき、ビジネス環境の変化への適応に貢献します。
(2) システム配置・変更の容易化により、機密性の高いデータの利活用を実現
VSP on cloudおよび各種データ連携ソリューションにより、オンプレミスの機密性が高いデータを、安全かつ容易にAWS上に移動や複製ができるため、AWSのコンピュートリソース*3や多様なクラウドサービスと連携したデータ利活用の幅が拡がります。また、システムの優先度に合わせて段階的にコンテナ化を進める際に、例えば、業界トップクラスのKubernetes*4を活用したハイブリッドクラウドアプリケーションプラットフォームであるRed Hat OpenShift Container Platformと連携することで、マイクロサービスがアクセスするデータの所在を意識する必要がなくなります。これにより、機密性が高いデータを活用したアプリケーション開発の加速に貢献し、アプリケーションを含めたシステム全体としての可搬性をさらに向上することが可能となります。
(3) ビジネス継続を支える堅ろう性の高いハイブリッドクラウド環境を実現
VSP on cloudにより、日立が世界中の基幹システムを支えてきた実績のあるデータ保全性の高いリモートコピー機能を、ハイブリッドクラウド環境で自在に利用できるようになります*5。これにより、オンプレミスとクラウドにまたがった災害対策環境を容易かつ柔軟に構築することが可能になります。また、コピーデータを利用し、AWSのさまざまなクラウドサービスと連携したデータ利活用基盤や開発基盤の構築も可能です。今後、書き込みデータの多重化による耐障害性の向上や、クラウド障害にも備えたマルチアベイラビリティゾーン構成にも対応するなど、システム全体の持続性を高めるサービスを強化します*5。
レッドハット株式会社 常務執行役員 パートナーエコシステム事業本部長 三木 雄平氏 Red HatはIT環境全体で一貫性を向上させるハイブリッドクラウドソリューションのご提供をめざしており、お客さまが適材適所でのシステム利用を可能とする本発表を心より歓迎いたします。日立のハイブリッドクラウドソリューションEverFlexが提供する拡張機能により、オンプレミスとクラウドで共通化されたストレージと、アプリケーションのポータビリティを実現するRed Hat OpenShiftは親和性が強く、お客さまへ信頼性の高いサービスをお届けしてまいります。